虫は虫なんだけどね

あれは火曜の夜中のことでした

珍しくＡｌｉｃｅは子供たちより先に布団で眠ってしまってた

坊主の声で目を覚ます

「お母さん　僕の部屋にゴキブリが出た　殺虫剤どこ？」

「洗面所・・」


しばらくしてまた坊主が来て

「どんなに殺虫剤かけても死なない」

「台所用洗剤にすれば・・」


またしばらくして　「死んだから袋に入れたけど何処に置く？」

「木曜の燃えるゴミに出すよ・・」



そして今朝・・

袋の中の死骸を見て　Ａｌｉce思わず号泣

「ごめんよ　何で見に行ってあげなかったかなぁ・・」

寝てたから　意識も定かでなかったし・・

救ってやれなかった　その濡れ衣で奪われてしまった命に涙した


昨日の夕方　坊主の話しに首を傾げたのだ

「ゴキブリが　キーキー鳴くねんか・・」

「キーキー鳴いた？　ゴキブリが？　それカミキリムシじゃないの？」

まさかカミキリムシとゴキブリを見間違える奴などいるものかと言う

気持ちで言った冗談のような一言だったのに・・

ゴミに出されていたその哀れな死骸は　まぎれもなくカミキリムシだった


せっかくのアイメイクが　出勤前に全部流れた・・

執拗に殺虫剤をかけられ死に追いやられたカミキリムシ・・

可哀想に・・　


いつも問われること

じゃぁゴキブリは殺されてもいいの？

カミキリムシは可哀想で　ゴキブリは可哀想ではないの？

それを言わないで・・