玉虫色の君

お嬢があれこれ買いたい物があると言うので

仕事終えて一旦帰宅して後 再びお嬢と二人職場であるスーパーへ

お嬢が一番欲しがっていた物が気に入るのがないとダグにメール

この後ダグが車で別なスーパーへ出かけてくれると言う約束を取付けたお嬢は

それでもあれこれお気に入りのフリマボックスなどを物色してのち

やっと帰路に‥

途中府道沿いを歩いていた時 お嬢が車道の方を見て　『何あれ』 と‥

視線の先で奇妙に長細い緑色の虫がフラフラと車の風圧に負けて車道に落ちた

『玉虫～！轢かれてしまう』

何台もの車が知らずに玉虫をまたいでビュンビュンと行く

この辺で一番交通量の多い道路だった

一瞬車の途切れたすきに“今しかない”と思うが早いか体が動いて

気が付くと虫の怖いAliceが車道にしゃがんで必死で玉虫を掴もうとしてた

『お母さん虫触れんの？ 車来てるって 轢かれるでー！』

お嬢の心配そうな声に怖くなって夢中で反対側の歩道へ上がった

ミッション成功！

どこか安全な木にでもと思ったのにしばらく手の上を歩いて

離れようとしないので怖々お嬢に携帯で写真を撮ってもらった

腕の上で何度も糞をして やっと安心したのか少し脇道へ入った辺りで

“じゃぁ”とばかりに美しい羽根を羽ばたかせて静かに飛び立った

『玉虫助けたんだし‥この先着る物に不自由しないかもねぇ』

実家の箪笥に眠ってる玉虫の事を思い出しながらそんな事を思った

Aliceなのでありました。