そんなに私が古いのか？Ⅱ

着信はなんと１９回　夜中１時半頃に連続してかけられていた

それがまず不気味でしょ・・・

何でそんな掛け方になるかな

Aliceの携帯にそれだけかけて出なかったら

他の手段も考えろよ

朝　こちらからはメールを送った

「何処にいるの？　無事？　何で帰って来てないの？」

「電話繋がらなかったら　メールしてくれたらいいのに・・」

Aliceの出勤時間になっても　何の連絡もない

「もう仕事行くけど　詳細メール入れといてね　絶対よ」

もう１度送ったけど　やっぱり応答なし

出勤してパソコンの前座っても　正直仕事が手につかない

何で連絡して来ない？

Y子が出勤して来た時　「電話してみいな！」　って言ってくれたから

思い切ってかけてみた・・

「もしもし～」　なんとも緊張感のない寝起きの様な声が聞こえた

「何で帰って来いひんの？」

「鍵　会社に忘れてん　３連休やのに・・」

「失くしたん違うやろなぁ」　「多分　会社にある」　

「何でメールしてくれへんの？　メール見た？」　「見てへん　ほんまやなぁ」

ほんまやなぁ　と言うのは　そうか、メールって手があったかと言う意味

ムカツク

いつもこんな調子　どんなに心配かけてるかなんて　気にもならない様で

遅くなると言う連絡は　少し早めにくれなきゃ意味がない

意味がないと言うか　こっちはムダに心配する時間が長くなるわけで

彼女に関しては　もう遅くなるなとか外泊するなとか言ってなくて

ただ連絡をして　って前から何度も言ってるのに

何度言っても解らないようで・・

「全く　学校の成績のいい子は　阿呆で困るわ」　と良く思う

お嬢は　Aliceが古いと思ってる

Aliceがそういう点では　異常に厳しく育てられたから

自分だって嫌だった事を子供に押しつけるなって言うの

女だから　夜遅くなってはいけないなんておかしいとかよく怒ってた

でも実際　夜道歩いてて襲われたわけだから

自分では女がどうのこうのおかしいって思っても　世の中はそうなんだから

現実として　男が夜道を歩くより　ずっと危険なんだから

夜中に警察から電話かかってくるのがどんなに恐ろしいか

あんな目にあってもまだわからないのなら　それは馬鹿だろ

馬鹿娘　Aliceの寿命減った分返しやがれ

そうしてようやく帰って来たのは　夕方　

「結局　どうしたの？」　

家の前まで帰って来て　鍵がない事に気づき電話をしたけど通じない

呼び鈴を鳴らしたら　お父さんを起こしてしまうかと　鳴らさなかった？

深夜営業のレストランに身を置いてみたりしながら

つぶやいたら　泊まりに来る？って何人かから言ってもらえて

一番近い人の所へ転がり込んだとか

それが　相手男の子だって言うから　何て言っていいやら・・

「タダシ君（仮名）にお礼言わなきゃねぇ」　って言ったら

「いっぱいお礼言っといたから・・」　って　どうなの



腹が立ったので　全部そのままダグに話してやったのに

ダグは全然平気な顔で聞いていて

家の前で電話をかけた話も　メールは思い付かなかった話も

その通りではなかったのではないかって

適当にでっち上げられた話にしても　とにかく下手くそ！

嘘も偽装工作も　全くAliceの不安を和らげられてないってのは

下手くそ過ぎるだろ！　何の為の嘘だよ！

それは　人の気持ちを想像出来ないと言う欠陥だと思う

昔っから　そう　

逆に　どうしたらそこまで人の感情を逆なで出来るかな？って

何度も心底ムカついて来た

小さい頃は　内容がそれほどでもなかったけど

大人になったら　話は複雑　あーもう考えたくない

更に　上乗せ　あの馬鹿娘

ゆうべ　久しぶりにダグと歩きに出て　２時間程歩いて帰って来たら

お嬢も　坊主もまだ帰ってなくて・・

お嬢は鍵を持ってないから　

朝出る時も坊主を起こして鍵をかけてもらって出たから

帰る時も家に誰かいないと入れないわけで

歩きながらも　気になってた

洗面所でメイクを落としていてふと気がついた

お嬢の化粧水がない　もしやと探したがiPhoneの充電器もない

あいつまた外泊する気だな！

すぐにメールした　

でも全く無視

坊主にメールしてみた　「いまどこ？」　

坊主の返信はいつも速い！　「樟葉でカラオケ」

「終電なくなるよ！」　「いま電車の中」　「そっか＾＾　気をつけてお帰り」

で、１１時過ぎに帰って来た坊主が言う事にゃ

「姉　帰って来いひんらしい　ユニバ行くって・・」

朝家を出る時　坊主に告げて行ったらしい

全く学習しない娘をどう理解すればいいのだろう

「何で私に言わないんだろう？」　

「言い忘れたって　母さん仕事行ってしもたし言うといてって」

「私が知ったのは１１時だよ　これ怒ったら　あんたが悪い事にされるよ」



ダグには何言っても　Aliceが満足する返事は返って来ないし

「何か制裁処置ない？　これ以上好き勝手するならこうだ！みたいな・・」

「無理やろ」

「深夜から明け方まで　警察の廊下のベンチで待たされる気持ちわかる？」

思わず怒りの矛先がダグに向いてしまった

何も無理難題言ってる気はないのよ

少しでも　Aliceが心配しなくてすむ様な心遣いが欲しいって

頼んでるだけなのに・・